春分の日を中心とした前後7日間を「春のお彼岸」と言い、多くの寺院で法要「彼岸会(ひがんえ)」が勤められます。お盆などとは違い日本独自の行事で、奈良時代から行われるようになったとされています。この期間にお墓参りをされる方もいらっしゃるでしょう。
もともと「彼岸」とは、仏教が生まれた古代インドで使われたサンスクリット語「パーラミター(波羅蜜多)」に由来する言葉で「向こう岸に渡る」という意味。これを漢訳すると「到彼岸」となり、浄土宗では、私たちのいる生死が繰り返され苦しみの多い “この岸 (此岸)” から、仏の世界である “かの岸 (彼岸)” の極楽浄土に到ることをいいます。
春分・秋分の日は、太陽が真西に沈むため、その方角にある阿弥陀さまの西方極楽浄土に想いを馳せるのに適した時期と言われてきました。
こうしたことから浄土宗では、自身が極楽浄土に往生することを願い、積極的に仏道を実践しまた、お浄土にいらっしゃるご先祖のみ霊を供養する期間として、「お彼岸」を意義付けています。
仏道修行というと滝に打たれたり、お経を読んだりすることをイメージされる方も多いかと思います。もちろんそれらも修行ですが、そればかりではありません。
浄土宗でいえば「南無阿弥陀仏とお念仏をとなえること」をはじめ、「人に優しい言葉をかける」「笑顔で人に接する」「社会のために奉仕する」など、人に悦びや安らぎを施す〝善い行い〟も含まれます。
私たちには、頭で理解できていても実践できていないことがたくさんあります。仏教では、頭だけでなく体でも理解すること、つまり実際に行動することが重要になります。
単に教義(教え)を「学ぶ」だけではなく、日々の修行という「実践」をともなうのが仏教のあり方です。ぜひ、このお彼岸の機会にあなたなりに〝善い行い〟を実践しましょう。
善行を積む姿を、極楽浄土から見てくださっている阿弥陀さまが、あなたの人生を理想的な生き方へと導いてくれるでしょう。
